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昔はなんて言ってしまうけれど、お金が貯まるとふらふらとどこか気ままに出かけていたのに、それなのにどうして今まで訪れなかったのか。お弁当の玉子焼きは最初か最後の方に取っておく方だからなのか、とにかくちびっ子の頃から頭の隅にしまっておいた屋久島についに、いざっ!上陸!!
10/29 夕方にさしかかる頃島に降り立つと目の前の町並みのすぐ向こうに、頂上を霞に隠したモノクロの山々に出迎えられる。急峻だ。なんだろう、ここは!?空気が違う・・・もうたまらんわくわくする。とりあえずバス停でバスを待つ。気分は登山ではなくて、なぜだか久々のプチ旅モード。宿に荷を下ろして買出しに行く。時間がないのでレンタカーを借りる。短時間なのでおっちゃんは快くおまけをしてくれる。知らない町にうきうきする。明日からの手筈を超特急で整え決めていく。まだバスのない早朝5:00に宿を出るつもり。ぐっすり寝た。明日は晴れ予報。
10/30 時計のアラームに今日ばっかりは素直に言うことを聞けて行動開始!呼んでおいたタクシーに乗り込む。まだ真っ暗。タクシーのおっちゃんにいちよう天気を聞いてみる。「う~ん・・・ここだけはわからないねぇ。晴れらしいけどね。でもねぇ・・・」 前日にも何人かに聞いてみたけれど皆さんこんな感じの答え。早速、雨の多い屋久島の洗礼を受けた気がした。辺りが明るくなり始めるころ淀川登山口に到着。数名の登山者が準備をしている。宿で作ってもらったお弁当を準備体操をしながらたいらげる。さあ!山の端に太陽が昇る前に出発!今日がスタートだっ!!
出だしから大木の森。いちいち感動して前に進まない・・・いちいち、ヒョェ~と言っているの図
視界があまり開けないままなのに飽きてこない。地面だけでなく、大きな樹々の双肩?にはいろいろな木々を宿し、懐の深い森が形成されている。とにかく空気が美味いのです!!すぐに淀川非難小屋に着いて水場で軽く補給する。整った登山道を鼻歌雑じりに尾根筋に出ると視界が開ける。晴れわたってる!遠くには大きな岩を山頂に抱えた山並みが望めて気持ちいいのなんの。少しだけこちらにアンテナを張った鹿が目の前を通り過ぎる。それでも悠々と。
湿原を過ぎてしばらくすると稜線歩きへとルートは進んでいく。簡単に一言でゴロンとなどとは言えない巨岩がゴロンゴロンと点在する。
なぜ、あの大岩の上にちょこんと小岩が乗っかってしまったのか??なぜ、ここの素晴らしいロケーションに岩のテラスが存在しているのか???だれかやったのか!?幾多の疑問と幾多の山頂を踏みしめてついに宮之浦岳山頂へ到着!遮るものはないけれど、隣には永田岳がものすごいアピールをしながら立っている。お茶を入れてランチタイム。たっぷり取ってから出発。ものすごく永田岳には後ろ髪をひかれるけれど、次回に取っておこっと・・・またな!
ジュール・ヴェルヌの「二年間の休暇」が大好きで繰り返し何度も読んだ。コナンドイルの「ロストワールド」にやられていつかはあんな探検をとチビの頃の僕は思い続けていた・・・山頂からの景色はまさにそのもの憧れの彼の地へ来てしまった・・・なぁんて気分!! ふぅ~・・・
意気揚々と前に進む。ゆるやかな下り。歩くこと約7時間、今日の宿泊地 新高塚小屋に到着。ここもまた静かな巨木の森の中。辺りには猿と鹿が静かに餌を探している。こちらを全然気にしていない様子。テントを担いできており、せっかくなのでウッドのデッキに張る。森の中で静かな夜がやってきた。寝た。
新高塚小屋快適そう!
朝だ!!本日はついに縄文杉に会いに行く!
木立の隙間を振り返ると、昨日見た山達が朝日に照らされ薄い橙色に染まっている。空気がひんやり澄んでいて、少し寒い。やはり秋だと実感する。まあ、日が昇ったら暑くてたまらなくなったけど・・・
相変わらず森は深く、気分がいい。高塚小屋を過ぎるとすぐに、あの大木が出てくるはず。
ド~ン!とそれはあっけなく現れた。デカイッ!!・・・が、感動のご対面かと思いきや飛び上がるほどでもない。なんだかこれまでのルート上で巨木を見すぎたために、「うんうんこれもありえそう」なんて思えてしまうのだ。樹齢は諸説あるけれどやっぱり大きい。圧倒的な存在感。これまたちびっ子の頃雑誌でお目にかかったとき度肝を抜かれ、この下で自分は何時の日か一夜を過ごすと決めていた。しかし僕らは柵の中。残念なことにもう触れることもかなわないけれど、来てよかった。
縄文杉に別れを告げ、白谷雲水峡を目指します。
一仕事終えた気分で森林軌道に出た。
なんと!!!カメラの電源が切れたぁぁぁ~
軌道の脇から雲水峡への道が出てくる。苔の森への路である。日なたの切り株の上で猿の親子が毛づくろいをしている。その下を鹿の親子が草を食んでいる・・・やっぱり人なんか気にもしていない。自然な成り行きのヒトコマなのである。ずっと下りだと思っていたので辻峠までの登りがつらい・・・緑の苔の森の空気は正午にさしかかると言うのに大気中に水分をたっぷりふくんでいて、そんな空気が満ち満ちていてひんやりと気持ちがいい。下草の高さもあまり無く、緑の木立の間をずうっと見通せて見とれてしまう。歩く速度は決して遅くはないはずだけど、立ち止まってばかりなのでなかなか進まない。なごりおしいけどバスの時間にはなんとか間に合い無事下山。さぁて、これから宿を探さねば・・・天気にも恵まれたし文句なしのトレッキングとなったのであります。
つづく・・・
小屋泊で淀川から入るのであれば最後の水場は宮之浦岳の手前(しっかり最後と表示有り)。新高塚には無いものと思ったほうがよさそうかも知れません。荒川方面からは全く問題なしです。荒川から縄文杉までは雨天時は滑るとは思いますが木道や階段が多く、比較的安定しています。縦走路はしっかりした靴がオススメです。
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